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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送ようこそT-roomへ - 2021-09-08_東京パラリンピックで活躍する台湾の選手

  • 08 September, 2021

8月24日から9月5日まで行われた東京2020、パラリンピック、今大会、中華民国台湾からは、6つの競技に10人の選手が参加しました。メダルの数こそ、卓球TT10クラスの女子シングルスでティエン・シャオウェン選手が銅メダルを獲得した1つのみという結果に終わりましたが、各選手が健闘をみせました。

本当は10人全員についてご紹介したいところですが、時間の関係から、本日のこのコーナーでは、4人の選手を中心にご紹介したいと思います。

まずは、卓球、TT4クラスの女子シングルスで決勝トーナメント進出を果たしたルー・ビーチュン選手です。58歳のルー選手は、生まれつき小児麻痺で身体が不自由で、車椅子で生活してきました。結婚後は毎週末、マーケットで玉(ぎょく)を売っていましたが、42歳になった年、台湾の宝くじ、ロトの販売の権利を手にし、経済的にも時間的にも余裕が出てきたことから、同じく身体にハンディを抱えながらも卓球に打ち込み障害者卓球のナショナルチームに選出された旦那さんらの勧めもあり、ルーさんは卓球に触れることとなりました。

42歳と非常に遅いスタートでしたが、センスに恵まれていたルーさんはめきめきと実力をつけます。そして、障害者卓球のナショナルチーム入りを果たしました。苦しい練習で、怪我をすることもありましたが、楽観的な性格のルーさんは、家族の応援もあり、諦めることはありませんでした。

 そして、2016年、初めてパラリンピック、リオデジャネイロ大会に出場、初めてのパラリンピックでは一勝もできず落ち込みましたが、2018年のアジアパラ競技大会では、中国大陸の強豪選手を下し、銀メダルを獲得しました。

今回のパラリンピック、ルー選手は6月、スロベニアで行われた予選大会に出場も、3位に終わり、出場権を逃しました。プレッシャーに負け、実力が発揮できず、息子さんの前で涙を流したそうです。しかし、7月初旬、補欠繰り上がりの発表があり、ルー選手は出場権を獲得、東京オリンピックでは、今回が5度目の出場となる男子のチュアン・チーユアン選手のプレーに刺激を受けました。

 ルー選手は今大会、初戦でセルビアの選手にストレートで敗れましたが、2試合目でイギリスの選手に3-1で勝利、パラリンピック初勝利を飾り決勝トーナメントに進出すると、準々決勝で37歳年下、世界4位、中国大陸のグー・シャオダン選手から第1ゲームを奪う健闘をみせました。試合はそのあと3ゲーム連取され、準決勝進出はなりませんでしたが、58歳での奮闘は、台湾の人々を感動させました。

同じく卓球、TT10クラスの女子シングルスで銅メダルを獲得したティエン・シャオウェン選手は21歳、出生時の医療ミスにより、右手の神経が萎縮、正常な機能を失われました。子供の頃、言葉によるいじめを受けることもありましたが、家族の励ましもあり、小学校2年生から卓球をはじめました。身体のバランスがうまくとれない為、最初はボールを返球することも大変でした。小学校から大学に進学するまで3度転校するなど、その道のりは順調とはいえず、幾度もスランプもあり、熱意が消えかけたこともありましたが、恩師にめぐりあい、苦しい時期を乗り越えました。

 そして、アジアカップ、アジアパラ大会、世界選手権とステージをかけあがり、今年初めてパラリンピックに出場しました。

ティエン選手は予選リーグ3連勝で、決勝トーナメントに勝ち上がると、準々決勝でトルコの選手を下し、準決勝進出、メダルを確定させます。準決勝では前回リオ大会の銅メダリスト、ブラジルの選手相手に第1ゲームを先取、しかしそこから3ゲームを連取され、惜しくも決勝進出はなりませんでした。ただ、ティエン選手は台湾に今大会唯一のメダルをもたらしました。ティエン選手は、リン・ズーシュー選手と共に、TT9、TT10クラスの女子団体戦にも出場、こちらは初戦敗退に終わりましたが、2人が在籍する国立高雄大学では、パラリンピック出場を記念し、奨学金を支給すると発表しました。ティエン選手、そして、今大会はくじ運がわるく決勝トーナメントに進めなかったリン選手、2人の今後の活躍を期待したいですね。

 バドミントンSU5クラスの男子シングルスにはファン・チェンユー選手が出場しました。難産の末、生まれ、その際に左肩の神経を損傷、左腕の筋肉が萎縮してしまいました。リハビリに加え、手術も複数回行いましたが、右手の正常な機能を得られることはありませんでした。しかし、ハンディにめげず、中学時代にバドミントンの魅力に見せられたファン選手は、高校時代は強豪校で、一般の選手と同じトレーニングを受け、技術を磨き、世界の舞台で活躍するようになりました。今大会は、予選リーグで、格上の日本選手を下すなど2勝1敗で準決勝に進出、準決勝と3位決定戦で惜しくも敗れ、メダルはならなかったものの、初のパラリンピックで4位という好成績をマークしました。

 今大会、台湾選手団の中で最年少、19歳、競泳のチェン・リャンダー選手は運動機能障害によるSM7クラスで3種目に出場しました。生まれつき膝から下げ欠損、右手の指が三本くっついているという障害をもっているチェン選手、3歳の時に、筋肉の萎縮を防止するために、競泳をスタートすると、すぐに類稀な実力を発揮していきました。6歳の時には既に有名なスイマーとなっていたチェンさん、映画にもなり、その前向きな姿に、多くの人々が勇気づけられました。今大会は400メートル自由形で決勝進出を果たしました。

 東京オリンピックでの台湾選手の奮闘もあり、例年以上に注目があつまった今年のパラリンピック、ただ、冒頭でも申し上げた通り、メダルの数という基準でみれば、今大会、台湾は、卓球のティエン選手の銅メダル1つのみでした。もちろん、メダルの数で選手の奮闘を図ることはできませんが、近年、パラリンピックでの成績はじりじりと低調となっています。

こうした現状について、台湾では、選手の平均年齢の上昇、若い世代の台頭がみられないことが原因という指摘もあります。台湾のパラリンピックの選手の大部分は、競技と仕事を掛け持ちしており、関係者は、仮に障害者スポーツを競技として発展させていくのであれば、政府による強化、指導の支援のほか、トレーニング、生活費用のサポートが必要であるほか、身体障害者のスポーツ参与を促すことが必要であると指摘、仮にスポーツ人口が増えれば、潜在能力をもつアスリートが発掘され、発展は自ずと加速すると述べました。

 東京オリンピックでは過去最高の成績を残した台湾、パラリンピックなど障害者スポーツも盛んになる日が来ることを期待したいと思います。

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