:::

Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送文化の台湾 - 2021-06-04_台湾の卒業シーズン

  • 04 June, 2021
文化の台湾
卒業シーズンの6月、新型コロナの影響で卒業式が中止となった学校も多いが、台湾南部・高雄市のある小学校ではロボットが児童たちの代わりに集まりオンラインでつないでみんなで卒業式を行い、特別な思い出となった。(写真:高雄市教育局提供/CNA)

6月に入りましたね。皆さんは6月といえば何を思い浮かべますか?梅雨?紫陽花?ジューンブライド?

実は台湾では6月といえば「卒業シーズン」なんです。

日本は「卒業シーズン」といえば春先3月ですが、台湾では欧米などと同じく9月入学のため、6月が卒業シーズン。毎年この時期になると、あちらこちらで卒業シーズンならではの光景が見られます。

台湾の大学では卒業式にはアカデミックガウンを着用しますが、台湾では卒業式の日だけではなく、卒業の数か月前からそのアカデミックガウン姿で卒業の記念写真を撮って楽しむのがお決まり!

このアカデミックガウンは学校から借りることができて、学校によって襟の色やデザインが違っていたり、大きな大学では学部ごとに襟の色が分けられていたりして、そのガウンを着て、共に学んだ友人たちと記念撮影を楽しみます。ただ、その撮影場所というのが思い出の詰まったキャンパス内だけでなく、学校とは全く関係のない観光スポットやフォトスポットでもガウンを着て記念撮影をするんです。

中には、卒業旅行や家族旅行などで、日本をはじめ、海外へ旅行に行くときにもガウンを持っていき、旅先で記念撮影をする人も少なくないそうです。

昨年(2020年)から新型コロナの影響で自由に海外に行くことができなくなっているため、海外での卒業記念写真撮影は撮りに行くことができませんが、台湾内の観光スポットでも新型コロナの感染が拡大する少し前までは、アカデミックガウン姿で写真を撮っている人たちをよく見かけました。

ちなみに、卒業記念写真の人気撮影スポットが毎年話題になりますが、海辺や灯台、港、河濱公園といった水辺のスポットや、夕陽のきれいなスポット、事前豊かで景色のきれいなスポットの人気が高いようです。

昨年(2020年)の1月に寒波が襲来し、台湾中部にある標高3,417メートルの「合觀山」に初雪が降った際には、雪の中、アカデミックガウンを着て写真を撮る学生の姿もニュースで紹介されていました。そんなに早い時期からアカデミックガウンを準備して写真に備えていたんですね!

この学生たちはかなり準備が早いのですが、卒業シーズンが近づくにつれて、そのように様々な観光地で卒業写真撮影をしている姿を見かけますよ。

そして実際の卒業式ももちろんそのアカデミックガウンに“タッセル”付きの帽子をかぶって出席します。

この“タッセル”とは帽子についているフリンジのようなもので、この“タッセル”をつける方向にもちゃんと意味があって、“タッセル”は卒業前は“右”、卒業後は“左”と決まっています。

なぜこのように付け替えるのかというと、「タッセルが右から左へ移動されるということは、“人生のあるステージを超えた”ということで、新しいステージに向かう準備ができたということの象徴」だとされています。

台湾の大学の卒業式でも、一人一人のその“タッセル”を移動させる儀式「撥穗禮(Turning of the Tassel)」が行われるところも多くあります。

ちなみに、日本で「卒業式」というと、“式典で一人ひとり、もしくは代表が「卒業証書を受け取る儀式”というイメージですが、台湾では学校によっては、卒業式の後に最終試験が行われたり、試験結果が卒業式の後に発表されるとこともあって、卒業式の段階ではまだ卒業が確定しているわけではないため「卒業証書」の授与は行わず、「撥穗禮(Turning of the Tassel)」だけが行われ、後日、「卒業証明書」を渡されるという学校も多いようです。

一方、中学・高校の卒業シーズンの恒例といえば、日本ではメッセージカードや卒業アルバムにメッセージを書いてもらったりしますよね。卒業アルバムにはそのためのスペースが設けてあったりしますが、台湾の中学・高校生の間では、制服のシャツや体操服に書き込む人も多いそうです。

もしかしたら台湾のドラマで見かけたことがあるかもしれませんね。

そして興味深いのは、日本だと一言メッセージを添えるため「なんて書こうかなぁ~」なんて色々と思い返したりしながらゆっくりとメッセージと名前を書き込みますが、台湾の学生たちは芸能人のごとくサラサラっと名前の“サイン”のみ!というパターンが多いそうです。

日本では“思い出を集める”というイメージが、台湾では“ノリで楽しく!”といった感じですね。

また、卒業ソングを制作する学校も多いそうです。「学生たちが卒業ソングの制作」と聞くと、日本のイメージだとみんなで歌う合唱曲とかを想像しますが、台湾の卒業ソングは違います。

合唱曲ではなく、まるでプロのミュージシャンが歌う曲のよう。しかも、作詞作曲、歌、演奏はもちろんですが、MVも全て学生たちが制作。プロ顔負けの出来になっています。

この他にも、卒業式実行委員会が積極的に活動していて、学校によって特色ある伝統的なイベントが行われます。

台北市信義エリアにあるバスケットの強豪校として有名な「松山高級中學」では、卒業式の前日、校内で大量の紙吹雪が撒かれます!

元々はある3年生が卒業試験を終え、終わった!と紙を破って撒いたのが始まりで、それが卒業前の伝統となり、いらなくなった紙やテキスト、参考書、テストなどを短冊状にカットし、3枚でベンツのエンブレムのような形に折ったものを紙吹雪として撒くようになったそうです。

その量、数千万枚!その雪のような景色から、雪景色を詠んだ古い詩に由来して、「柳絮紛飛」と呼ばれています。

元は学校非公認だったそうですが、今では「台湾10大オリジナル卒業イベント」のひとつとして有名になり、取材も来るそうです。

また、台北市の北東部、内湖エリアにある「內湖高級中學」では、毎年、“卒業前の洗礼”として、「水風船大戦」が行われます。

これは、卒業を控えた学生たちが、およそ10万個もの赤や黄色、緑といった三色の水風船を投げあうもので、卒業生たちの未来が「明るくカラフルである」ことの象徴なんだそうです。

7月に控えている大学入試のストレス解消や暑気払いを目的に始まったそうで、生徒も先生も来賓も一緒になって、時には有名な来賓も参加し、生徒に交じって一緒にずぶ濡れになって盛り上がります。

台湾の中学・高校の卒業シーズンは学生たちのオリジナリティにあふれていて、後輩たちが先輩たちを送り出す…というよりも、卒業生たちが自分たちの卒業を盛大に祝うお祭りムードとなっています。

ただ、今年(2021年)は先月(5月)に新型コロナの感染が台湾内で拡大し、防疫警戒レベルが3級に引き上げられたことで、多くの学校でみんなが集まっての卒業式典が中止となりました。

中にはオンラインでの卒業式が行われたところもあるようですが、防疫警戒レベル3級が引き下げられた後に、改めて卒業式をできるように学校に呼びかけようという動きもネットで起こっています。

早く感染状況が落ち着いて、学生たちが元気な姿で改めて卒業を祝う“お祭り”ができることを願いたいと思います。

Program Host

関連のメッセージ