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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送台湾ミニ百科(2021-07-21)台湾一シュールなゆるキャラ「鳥人間」、勤続11年で退職

  • 21 July, 2021
台湾ミニ百科
11年間台北駅で立ち続けていた鳥人間は、2021年7月13日に退職し、製作者のところに帰った。台湾では残念がる声が上がっている。(写真:中野理絵)

新型コロナウイルスの影響で、多分仕事に影響が出た、さらに仕事がなくなった人は結構いると思いますが、先週、7月13日に、台湾のある「人」は、その11年にわたる仕事をやめることになり、台湾では「惜しい」、「もう少しいて欲しかった」、「ツーショットを撮っておければよかった」など、その「人」の退職について、残念がる声が上がっています。

それほど大人気な方は、一体誰でしょうか?それは、おそらく台湾北部の台北市を観光したことのある方なら、少なくとも一度はその人に会ったことがあるかもしれません。それは、台北駅のロビーから、台北市の新交通システム、台北メトロのレッドラインへ向かう途中、台北駅のM1出口の近所に立っている芸術品(インスタレーション)、鳥人間です。

1. 台湾で最もシュールなゆるキャラ、鳥人間

その体は裸の白いマネキン。右手には鉛筆を握っていますが、それ以外は何のポーズもとっていなくて、ただ人工芝の上で棒立ちしています。その頭の部分は、子供向けアニメのような、黄色い鳥の頭、青空の色をしたまん丸の目は見開いていて、鮮やかなオレンジ色をした長いくちばしは少しだけ開いています。そして、その鳥の頭のてっぺんから水が湧き出し、体を伝って人工芝へと流れていきます。

そのあまりにもインパクトのある外見により、人々は思い思いにそれに名前を付けて呼んでいます。鳥人間はその一つ。鶏人間、鶏頭、鳥頭、「あの変な鳥」などなど、色々あります。まるでダンジョンのように道に迷いやすいと言われる台北駅で、この目立った鳥は道標であり、人気の待ち合わせスポットでもありました。台北市に遊びに来た観光客にとっては、かなり印象に残っているところかもしれません。2015年に、鳥人間は、台湾最大規模のネット掲示板「PTT」で、「台湾で最もシュールなゆるキャラ」の一つに選ばれました。

また、鳥人間に関する都市伝説は非常に多いです。例えば、台北駅でどれほど歩いても、どうしても目的地にたどり着けないのは、実は鳥人間の呪いだとか、鳥人間は深夜に歩き出し、自分の体となる人間を捕まるとか。そのため、鳥人間が怖いと思う人も結構多いそうです。

2. 鳥人間には、実はちゃんと名前があります。

鳥人間の正式名称は、「夢遊」です。つまり眠っている最中に起き上がって、行動することですが、白昼夢の意味もあります。英語のタイトルは「デイドリーム」です。

そのほか、「鳥人愛維斯(Aves/鳥人間アヴェス)」という別名もあります。「アヴェス」は、動物の分類の、脊椎動物亜門鳥綱という意味で、「鳥類」を表す単語でもあるそうです。

デイドリーム、鳥人間アヴィスは、元は2人の芸術家、何采柔さんと郭文泰さんが製作した作品です。

2010年に、台北市にある現代美術の美術館、「台北当代芸術館」と、台北メトロの運営会社と提携した、芸術による街づくり計画の一環として、台北駅に設置されました。そして2021年7月13日に、契約の期間が満了したため、デイドリーム、鳥人間アヴィスは11年間も立ち続けていた台北駅から撤去され、芸術家に返還されたのです。

3. 芸術家が「鳥人間」を通して伝えようとしていることは?

台北当代芸術館のオフィシャルサイトでは、この作品について、このように書いてありました。
「喧騒でにぎやかな台北市で、デイドリームは単調な日常生活に一瞬の息抜きを与えている。広々とした草原の中に立つ、鳥頭をかぶっている女の子は、手に鉛筆を握っていて、顔から流れてきた水がその体を覆い尽くしている。永遠に大人になれない女の子は、永遠に字のかけない鉛筆を持って、流れる時間と止まった時間。現実と幻想の狭間にとどまっている…この超現実的な彫像の前で、足を止めて、夢を見よう」ということです。

デイドリーム、鳥人間アヴェスの製作者の1人、何采柔さんは、2017年のあるインタビューで、この作品を製作したきっかけについて、「たまたま若者の街と言われる、西門町へ買い物に行った時に見かけたマネキンにインスパイアされたから」と話しました。

そのマネキンは裸で真っ白。その頭には大きなお面をかぶっていました。古典的な美を感じさせる白いマネキンに、子供向けアニメのようなお面という組み合わせは、面白いコントラストとなっていました。それでインスピレーションが湧いた何采柔さんは、もうひとりの製作者、郭文泰さんと相談して、不調和の美を感じさせるこの作品、「デイドリーム、鳥人間アヴィス」を製作したのです。

鳥人間の手には鉛筆を握っています。それはなにかを創作する象徴かもしれません。しかし、その頭にある被り物のせいで、視界が遮られて、何を創作するかは全く見えません。ところで、その被り物は、自由、飛ぶことを象徴する鳥の形となっています…

何采柔さんによりますと、芸術家は、作品を通してなにかを伝えようとしたわけではありません。その作品を見た人が、それぞれに違う解釈を持ってほしいということです。

(編集:曾輿婷/王淑卿)

 

 

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