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台北市日本工商会、日本食品の輸入規制解除を要求

  • 11 October, 2021
  • 早田健文
台北市日本工商会、日本食品の輸入規制解除を要求
台北市日本工商会から台湾の政府機関に対する建議書である2021年度白書を受け取る行政院国家発展委員会の龔明鑫・主任委員(左)。(写真:Rti)

台湾に進出している日本企業の団体である台北市日本工商会はこのほど、台湾の政府機関に対する建議書である2021年度の白書を発表しました。この中で、台湾のCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)加盟に対して支持を表明しましたが、一方で日本食品の輸入規制の解除を強く要求しました。

台湾は東日本大震災に伴って発生した福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故以降、放射能汚染の可能性があるとして福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県で生産された食品に対して、台湾への輸入を全面的に禁止しています。

また、2018年には、この日本からの食品輸入規制を解禁することの可否を問う住民投票が行われ、その結果、規制を継続することが過半数で決定しました。

台北市日本工商会は、日本での東日本大震災以来、日本から台湾に輸入された食品が放射能の安全基準を超えたことはなく、また台湾で2018年に実施された日本からの食品輸入規制に関する住民投票の効力がすでに2年の満期を過ぎているとして、台湾当局に対してこの輸入規制の解除をできるだけ早く実施するよう求めています。

白書は、東日本大震災から10年を経たが、これまで輸入された日本の食品からは安全基準を超えた放射能が検出されたことはなく、また、今年5月にシンガポールが日本からの食品輸入規制を解禁しており、のこるのは台湾と韓国だけだと指摘し、台湾当局ができる限り早期に、科学的根拠に基づいて冷静で正確な判断を行うよう「強く要請する」と指摘しています。

これに対して、この白書を受け取った行政院国家発展委員会の龔明鑫・主任委員は、どの国からの食品の輸入に対しても、台湾は国民の健康を守ること、科学的な根拠、国際基準の三つの原則に基づいて検討すると指摘しました。

龔明鑫・主任委員は、これについて、「蘇貞昌・行政院長は何度も表明している。態度は非常にはっきりしている。つまり、台湾はこれらの食品の輸入に対して三つの原則を持っている。第一は、国民の健康、第二は科学的根拠、第三は国際基準だ。このため、日本あるいは他の国家の関連する食品の輸入に対して、我々はこの三つの原則に基づいて討論を行う」と語っています。

台北市日本工商会が台湾の政府機関に対する建議書である白書を発表するのは、今回で13回目となります。この白書は、「新型コロナウイルス感染との共存、アメリカと中国大陸との対立に伴う世界の政治・経済構造の変化、そして二酸化炭素の排出削減の要求の高まりなどに直面して、台湾と日本は新しい時代に入ることが必要となっている。こうした中で、台湾と日本は共有している価値観を実践し、協力して新しい段階に進み、新時代を迎えて世界をリードする地位を維持する必要がある」と指摘しています。

この白書では、日本食品の輸入規制に対する再検討のほか、双方の協力による産業発展と新しい産業の開発、安定した競争力のあるインフラ建設、優秀な人材の流出防止、魅力のある投資環境の構築などについて、定見が盛り込まれています。

そのうち、台北市日本工商会は、台湾のCPTPP加盟を支持すると共に、台湾と日本の間でのEPA(経済連携協定)、FTA(自由貿易協定)の提携を支持しています。また、台湾当局が、国際関係に反する規制の改正、投資保護の強化を希望しており、これは西側各国が希望することでもあると指摘しました。

また、台北市日本工商会は、日本政府に対して台湾のCPTPPへの参加を支持するよう呼びかけるほか、双方が協力して第三市場を開拓するため、台湾側が具体的な戦略を提示することを希望しています。

さらに、台北市日本工商会は、台湾が半導体生産拠点としての地位をますます高めていることについて、日本は半導体の原材料、生産設備で優位性を持っており、双方が協力関係を深め、台湾がこの分野で日本企業に必要な支援を提供することを希望していると指摘しています。(写真:Rti)

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